日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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特集:腹部救急治療におけるNSTの役割
腹部緊急手術症例に対する,外科単科NST回診の有用性の検討
丸山 常彦鴨志田 敏郎酒向 晃弘安部 訓子石川 祐一上田 和光奥村 稔
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2013 年 33 巻 4 号 p. 701-704

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抄録

要旨:「栄養サポートチーム(NST)加算」が新設され,2010年6月より外科単科NST回診を開始した。従来のNST回診は依頼型としていたが,外科単科回診は血清Alb値3.0g/dL以下の中からハイリスク患者を管理栄養士が抽出した。NSTが介入した腹部緊急手術症例で,外科単科回診開始前の症例をA群,開始後の症例をB群としNST介入までの期間,効果,転帰,在院日数について検討した。A群:8例,B群:6例で介入数は有意にB群で増加した。介入までの期間はA群:15日,B群:12日でB群に短い傾向であり,効果はA群:改善4例(50%),不変2例(25%),悪化2例(25%)でB群:改善6例(100%)と有意にB群が良好であった。転帰はA群で死亡退院,B群で軽快退院が多く,介入後在院日数はA群:18日,B群:15.5日とB群で短い傾向であった。腹部緊急手術症例に対する外科単科NST回診は有用と思われた。

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© 2013 日本腹部救急医学会
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