抄録
要旨:(目的)腹部コンパートメント症候群で腹壁開放管理を施行した症例の閉腹法を明らかにする。(対象・方法)当施設で過去10年間に腹壁開放管理を施行した88例を対象とし,5年ずつ前期後期にわけ閉腹方法と特徴について検討する。(結果)前期40例,後期48例を比較すると,定型的腹壁閉鎖で有意差は認めなかったが,非定型的腹壁閉鎖では,前期で遊離植皮術,両側腹直筋鞘前葉反転法が施行されており,全例腹壁を一塊の肉芽で覆ってからの閉腹であった。これに対し後期では,14日以内の外腹斜筋内腹斜筋分離法による閉腹が多く,閉腹時腹腔内圧,閉腹時最高気道内圧上昇値はともに高いが,重篤な合併症は少なく,予後良好であった。(考察)腹腔内圧上昇回避と急性期非定型的腹壁閉鎖には,外腹斜筋内腹斜筋分離法が有用であると考えられた。(結語)腹壁開放管理後閉腹法として,腹腔内圧を考慮した非定型的腹壁閉鎖は有効であった。