抄録
要旨:症例は67歳女性。進行胃癌に対して術前化学療法としてDocetaxel+CDDP+S-1の3剤を併用したDCS療法を計3コース施行した後,幽門側胃切除術を施行した。術後補助化学療法としてS─1を内服したが,食欲不振により1コースで中止となった。術後3ヵ月目に,食欲不振および嘔気を主訴に入院。腹部造影CTにて,膀胱壁に全周性の気腫像を認め,気腫性膀胱炎と診断した。尿道カテーテルの留置および抗生剤投与にて保存的に改善した。基礎疾患に悪性腫瘍を合併した気腫性膀胱炎の本邦での報告例は,これまでに9例であった。自験例では胃癌術後の食欲不振が要因となって低栄養状態が遷延し,気腫性膀胱炎が発症したと考えられた。