抄録
敗血症は,病原微生物が生体に進入することから生じる。敗血症が重症化するにつれ,DICの合併率が上昇し,臓器不全の重症化,死亡率の上昇を認める。DICは敗血症の重症化の結果であるとともに,臓器不全を増悪させる一因でもある。微生物の生体への進入に対し,自然免疫反応の一環として炎症が生じ血栓形成が促進される。この血栓形成の促進は,局所で生じている限り,微生物を局所に封じ込めるための合目的な血栓形成,つまりimmunothrombosisとして捉えることができる。しかし,生体侵襲やそれに対する反応が過剰となった場合,炎症と凝固はその反応を互いに増強させつつ,炎症と凝固の活性化が全身に播種され,DICとなる。敗血症におけるDICは,凝固の活性化だけではなく,抗凝固能の抑制と線溶の抑制を認めることが特徴であり,消費性凝固障害とともに,重要臓器の機能障害をきたす。