抄録
症例は78歳,男性。2000年に胃癌に対し胃全摘術(Roux-en Y再建)が施行された。病理診断は胃癌(MU,Post,Type1,10.5×6.5cm,por2,INFγ,se,ly3,v0,pT3,N2,P0,H0,M0,stageⅢb;por)であった。術後18ヵ月間ドキシフルリジン600mg/dayが投与され再発なかった。 2012年9月に腹痛で受診し,魚骨による回腸末端炎が疑われた。終末回腸を含む右半結腸切除術を施行された。切除標本で回腸末端に魚骨と同部の限局性の腸管壁の肥厚を認めた。組織学的検査では,漿膜下から粘膜におよぶ広汎な低分化腺癌の浸潤・増殖を認め,胃癌の再発と診断した。その後癌性腹膜炎の増悪により2013年10月に死亡した。今回,筆者らは胃癌術後12年の経過で回腸への魚骨の刺入を契機に再発を診断できた症例を経験したので報告した。