抄録
内視鏡的止血困難例26例を対象に,出血性上部消化管潰瘍に対するN-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)を用いた動脈塞栓術後の循環動態変化と粘膜治癒過程に関する評価・検討を行った。塞栓術により全例で即時的な止血と有意な循環動態の改善が確認された。塞栓術前の潰瘍病変は全例Forrest Ⅰ(Ia 20,Ib 6)であり,塞栓術後には明らかな虚血性粘膜障害は認められず,11±7.9日で Forrest Ⅲまでの改善が確認された。NBCAは適正な使用下では潰瘍治癒過程において大きな妨げにはならないものと考えられ,安全かつ有用性の高い塞栓物質であると考えられた。