日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
特集:絞扼性腸閉塞の診断と治療
病態に基づいた造影CTによる絞扼性イレウスの早期診断
山田 岳史菅 隼人松本 智司小泉 岐博進士 誠一松田 明久山岸 杏彌横山 康行高橋 吾郎岩井 琢磨青木 悠人町田 幹内田 英二
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2015 年 35 巻 4 号 p. 403-407

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抄録

【背景】絞扼性イレウスの本態は消化管の虚血であるため,診断には造影CTが重要であるが,どのような所見が有用であるか明らかではない。【方法】術前に造影CTが施行された壊死性絞扼性イレウス15例と非壊死性絞扼性イレウス25例を対象に造影CT所見を検討した。【結果】70%以上の頻度で認められたものは腸間膜血管の拡張(70.0%),腸管壁の肥厚(72.5%),腸間膜浮腫(80.0%)であった。腹水,腸管壁の造影欠損,Kerckringの不明瞭化,腸間膜混濁は壊死群で有意に高率に認めた。【考察】絞扼性イレウスを造影CTで早期に診断するには,壊死性絞扼性イレウスで多く認められる,腹水や造影欠損よりも腸間膜血管の拡張,腸管壁の肥厚,腸間膜浮腫等の変化を見逃さないことが重要である。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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