2015 年 35 巻 4 号 p. 409-412
手術により絞扼性イレウスと診断された103例を対象として,腸管壊死群と非壊死群とに分けて,臨床症状,血液検査,血液ガス分析,CT画像の項目で比較・検討した。単変量解析では術前SIRSの有無,白血球数,PaCO2およびCT所見の腸間膜濃度の上昇,腸管壁浮腫,腸管の造影不良で有意差があり,多変量解析ではPaCO2と腸間膜濃度の上昇で有意差を認めた。絞扼性イレウスは重篤な状態に陥る可能性のある疾患であり,そのリスクの高い腸管壊死症例を早期に診断し治療することは重要である。今回の検討で有意差のあった項目に注意しながら,症状および検査結果の解釈とCT画像の読影の精度を高くすることが重要である。