日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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ISSN-L : 1340-2242
症例報告
妊娠,出産が発症の一因と思われたWinslow孔ヘルニアの1例
中原 健太日高 英二高柳 大輔前田 知世竹原 雄介石田 文生工藤 進英
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2015 年 35 巻 4 号 p. 457-461

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抄録
症例は生来健康な43歳,女性。2ヵ月前に出産歴あり。9日前より腹痛,嘔吐を自覚し,当院を受診した。CT検査にて門脈と下大静脈の間を通り網囊内に入り込む小腸塊を認め,Winslow孔ヘルニアと診断した。来院後数時間で全身状態が悪化してきたため緊急開腹術を施行した。終末回腸から約90cmの回腸がWinslow孔に陥入しており,40cmの回腸部分切除術を施行した。本疾患の発症原因としてはWinslow孔の開大,上行結腸の後腹膜への固定の欠如,小腸間膜の過長などが報告されているが,不明な点も多い。本症例では小腸間膜が引き伸ばされた状態で比較的肛門側の回腸が頭側まで持ち上がりWinslow孔に陥入していたことから,通常下腹部に位置する回腸が増大した子宮により頭側に牽引されたことが発症の一因となったとも推察される。
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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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