抄録
症例は53歳,女性。約3年前から臍ヘルニアと診断され時々疼痛を自覚していたが経過観察していた。午前2時頃,臍部の膨隆と激痛を認め当院救急外来を受診し,臍ヘルニア嵌頓の診断で,緊急手術目的にて当院外科へ緊急入院となった。入院準備のため救急外来で膀胱留置カテーテルを挿入したところ臍部の膨隆と激痛が消失した。腹部CT検査を再度施行したところ,一部腸管が脱出しているのみであった。症状は完全に消失していたが,再び嵌頓が起こる可能性を考慮し,同日,準緊急手術を施行した。ヘルニア門の大きさは約3.0cmで腸管の壊死は認められなかったので,腸切除は施行せず単縫合によるヘルニア門閉鎖のみを施行した。術後経過は良好で術後14日目に退院した。その後,当科外来に通院しているが,現在に至るまで再発は認めていない。