抄録
当科では小腸絞扼性イレウス(以下,本症)症例に対して適応を限定し,腹腔鏡下手術を施行している。腹腔鏡下手術の本症に対する有用性を検討した。全62症例中,小腸切除が不要であった22例を完全腹腔鏡下イレウス解除術9例と開腹移行症例も含む開腹イレウス解除術13例に分類し比較した。手術時間(p<0.05),術後経口摂取開始日数(p<0.01)は完全腹腔鏡下イレウス解除術施行症例で有意に良好であった。小腸切除を要した40例を,腹腔鏡補助下に腸管切除した26例と開腹下に小腸切除を行った14例に分類し比較した。有意差は認めないものの腹腔鏡使用症例で手術時間や術後在院日数は短縮される傾向であった。術前に腸管壊死の有無が不明でも一定の条件で症例を選択し,腹腔鏡下にイレウス解除が可能であれば良好な成績が期待され,診断的価値も高い。腹腔鏡下手術は本症に対して有用な標準術式になりえると思われた。