日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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ISSN-L : 1340-2242
原著
Updated Tokyo Guidelinesに基づいた重症度別の急性胆管炎に対する内視鏡的胆道ドレナージのタイミングの検討
藤本 直己淺井 哲竹下 宏太郎加納 由貴中尾 栄祐一ノ名 巧赤峰 瑛介山口 拓也城田 哲哉
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2016 年 36 巻 5 号 p. 863-868

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抄録

当院は急性胆管炎(AC)に対しTG13に基づき重症は緊急ドレナージ,中等症は24時間以内のドレナージ,軽症は保存的治療後に再評価し増悪時にドレナージを行うという院内ガイドライン(GL)を定めて治療してきた。今回はretrospectiveに院内GLの妥当性を検討した。対象は2013年4月から2015年8月の間でACと診断された145症例で,重症/中等症/軽症が9.0%/46.9%/44.1%であった。内視鏡的胆道ステンティング(EBS)の成功率は重症・中等症で92.3%・100%でEBS困難であった重症1例は経皮的処置にて救命できた。また,ドレナージまでの平均時間は重症3.4時間・中等症10.6時間であった。軽症例の10.9%は再評価時に増悪したが全例EBSで改善した。急性胆管炎が原因の死亡例は認めず院内GLで設定したドレナージのタイミングは妥当と考えられた。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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