2016 年 36 巻 5 号 p. 889-896
近年,人口の高齢化に伴い,脳血管疾患や循環器疾患の罹患率は上昇しており,2次予防として抗血栓薬を内服する患者は増加している。2012年に日本消化器内視鏡学会(JGES)より「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」(GL2012)が刊行され,胆膵内視鏡治療においても抗血栓薬の取り扱いが細分化された。緊急胆膵内視鏡では基本的にドレナージが最優先され,内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)は必ずしも付加しなくてもよいが,抗凝固薬やチエノピリジン誘導体内服患者での選択的胆管挿管困難におけるprecutなど課題は残る。