2016 年 36 巻 5 号 p. 953-956
症例は27歳,男性。下肢に紫斑が出現し,血小板減少を指摘され,血小板減少性紫斑病(以下,ITP)として経過観察となった。約1年後に,下腹部痛,血便を主訴に来院。下部消化管内視鏡検査で肛門から連続した全結腸に全周性に炎症を認め潰瘍性大腸炎(以下,UC)と診断した。ステロイドをはじめとする内科的治療を開始したが,間欠的に下血は持続し血小板も1万/μLに低下した。治療抵抗性ITPとUC合併例として,当科を紹介された。UCとITPの根治性を高めるため大腸全摘と脾摘を施行した。若年例であり侵襲性,整容性を考え腹腔鏡手術を選択した。大腸全摘は抗原性を残さないため回腸囊肛門吻合を選択した。術後すみやかに血小板は増加し経過良好であった。3ヵ月後に人工肛門を閉鎖した。病理組織学的には全大腸型のUCであった。内科的治療抵抗性のUC合併ITP症例は,症例の重症度によって治療法の選択が異なることも多く,文献的考察をあわせて報告する。