日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
共通管への落下結石嵌頓により膵液胆道逆流現象を認めた1例
小澤 広輝寺内 寿彰松岡 義石田 隆篠崎 浩治
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キーワード: 膵液胆道逆流現象, PTGBD, EUS
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2016 年 36 巻 5 号 p. 989-992

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抄録

症例は68歳,男性。右季肋部痛と嘔吐で当院を受診した。精査の結果,軽症急性胆囊炎の診断で保存的加療目的に入院となった。入院第2病日に発熱,炎症反応上昇,黄疸,胆道系酵素の上昇を認め,急性胆囊炎の増悪と診断しPTGBDを施行した。数日で炎症反応は改善したが留置後3日目に突然PTGBDtubeからの胆汁排液量が増加した。PTGBDtube造影検査では下部胆管が閉塞し主膵管が造影された。排液中のアミラーゼが68,600IU/Lと異常高値を示したため,膵胆管合流異常の存在を疑い,EUSを施行したが明らかな膵胆管合流異常はなく共通管内に嵌頓結石を認めた。ERCPにてEST施行後に採石術を行い,PTGBDtube造影では膵管は描出されず,排液中のアミラーゼ値も正常化した。以上から共通管への嵌頓結石による膵液の胆管内への逆流と判断した。共通管の嵌頓結石による膵液胆道逆流現象を認めた1例を報告する。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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