日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
急性虫垂炎に合併した上腸間膜静脈血栓症の1例
若狭 悠介諸橋 一坂本 義之三浦 卓也神 寛之米内山 真之介一戸 大地袴田 健一
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2016 年 36 巻 7 号 p. 1187-1191

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抄録

上腸間膜静脈血栓症(superior mesenteric venous thrombosis:以下,SMVT)は腸間膜静脈の血流障害により,腸管のうっ血や肝機能障害をきたす比較的まれな疾患である。死亡率は0~23%とされており,初期対応が非常に重要とされる。症例は32歳女性。数日前からの嘔吐,発熱,腹痛を主訴に近医で抗生剤投与が行われていたが症状の改善を認めず,腹部CTで急性虫垂炎が疑われ当院へ救急搬送された。腹部CTで回結腸静脈から上腸間膜静脈にかけて血栓が認められ,急性虫垂炎に合併したSMVTと診断し,同日虫垂切除術を行った。術後は大きな合併症なく良好に経過し,速やかに抗凝固療法が開始され第8病日に退院された。虫垂炎にSMVTを合併した症例については,血栓形成の原因除去を目的とした虫垂切除術とSMVTの進展や波及を防ぐ抗凝固療法が重要であることが示唆された。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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