日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
特集:急性腹症ガイドラインの検証
絞扼性腸閉塞診断における造影CTの有用性
山田 岳史青木 悠人小泉 岐博進士 誠一高橋 吾郎岩井 琢磨武田 幸樹横山 康行堀田 正啓原 敬介松田 明久松本 智司太田 惠一朗内田 英二
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2017 年 37 巻 4 号 p. 581-585

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抄録

【背景】絞扼性腸閉塞の本態は消化管の虚血であるため,診断には造影CTが重要である。しかし,どのような所見が有用であるか明らかではない。【方法】術前に造影CTが施行された壊死性絞扼性腸閉塞21例と非壊死性絞扼性腸閉塞33例を対象に造影CT所見を検討した。【結果】70%以上の頻度で認められたものはbeak sign,flower bouquet sign,腸管壁の肥厚,腸間膜混濁であった。beak sign,腸管壁の肥厚,腸間膜混濁は非壊死性に限っても高い頻度で同定された。造影低下は壊死性では52%に同定されたが,非壊死性では6%と発現頻度が低かった。【考察】腸管壊死をきたす前に絞扼性腸閉塞を造影CTで診断するために有用な所見はbeak sign,腸管壁の肥厚,腸間膜混濁であり,造影低下の発現頻度は低いことに注意が必要である。

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© 2014, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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