日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
術後創部皮下感染による広範な創哆開に対して陰圧閉鎖療法が有効であったBevacizumab投与後結腸憩室穿孔の1例
中村 祐介, 岡屋 智久, 鈴木 弘文, 唐木 洋一, 福田 啓之, 越川 尚男, 櫻井 洋一
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 38 巻 4 号 p. 693-696

詳細
抄録

症例は66歳男性。切除不能左肺癌に対して当院呼吸器内科でBevacizumabを含む全身化学療法が開始されたが,初回投与後9日目に右側腹部痛が出現し,結腸穿孔が疑われ緊急手術の方針となった。術中所見で上行結腸に特発性穿孔を認め,回盲部切除術を施行した。術後病理検査では結腸憩室穿孔の診断であった。術後13日目に創部皮下感染による広範な創哆開を生じ,術後25日目より陰圧閉鎖療法(以下,NPWT)を導入した。導入後の創部清浄化や肉芽増生は良好であり,術後74日目には創部閉鎖が得られた。Bevacizumabを含む全身化学療法施行後の消化管穿孔に対する緊急手術では,術後も骨髄抑制や創傷治癒遅延作用が遷延するため創部皮下感染ならびに創哆開のリスクが高く,発生した場合はしばしば難治性である。このたびNPWTがBevacizumab投与後の哆開創管理に有用であった1例を経験したため報告する。

著者関連情報
© 2018, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top