2018 年 38 巻 4 号 p. 757-761
症例は58歳,男性。左季肋部痛を主訴に近医受診し,CTで腹腔内の囊胞性病変を認めたため当科紹介となった。腹腔内血腫を疑い吸引細胞診を行うも,間質成分と血液成分を認めるのみであった。本人の希望もあり経過観察するも腫瘤の縮小を認めず,腹腔鏡下に腫瘤を摘出した。摘出された腫瘤のほとんどは血腫であったが,最外側には紡錘形や上皮様の細胞が増生していた。免疫組織化学的にはc-kitおよびCD34が陽性であり,消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor:以下,GIST)と診断された。大網原発GISTは比較的珍しいだけでなく,画像上囊胞様の形態をとるのは非典型的であり,画像からGISTを鑑別にあげるのは困難であった。今回われわれは腹腔内血腫との鑑別が困難であった大網原発GISTの1例を経験したので,画像上の鑑別も含めて報告する。