2018 年 38 巻 4 号 p. 763-766
症例は85歳男性。近医でpercutaneous transhepatic gallbladder drainage(経皮経肝胆囊ドレナージ:PTGBD)施行中の胆囊炎に対して腹腔鏡下胆囊摘出術を施行し,術後11日目に退院された。同日午後意識障害が生じ,同病院へ救急搬送され胆囊動脈からの出血が疑われた。血圧は60mmHg台で出血性ショックを呈していたが初期輸液によりすみやかに90mmHg台に回復し当院に搬送された。緊急手術への移行を準備しつつtranscatheter arterial embolization(経カテーテル的動脈塞栓術:以下,TAE)を施行し,肝動脈A8からの出血を認めコイルで止血した。腹腔鏡下胆囊摘出術後に遅発性の出血が起こることはまれである。本症例は遅発性に生じた動脈瘤非形成性の出血であり過去に同様の報告はみられない。高齢者に対しTAEによる低侵襲な止血術によって有効な結果が得られた。