日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
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特集:大腸憩室出血に対する診断と治療─各科からの提言─
下部消化管出血の治療戦略―放射線科の立場から―
御須 学井上 政則伊東 伸剛塚田 実郎中塚 誠之陣崎 雅弘
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2018 年 38 巻 5 号 p. 831-834

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抄録

下部消化管出血は年齢とともに増加し,背景疾患として大腸憩室,angiodysplasia,大腸炎や大腸癌があげられる。中でも大腸憩室出血は頻度がもっとも高く,本邦で増加している。NSAIDsやステロイド,抗血小板薬の使用が憩室出血の増加に拍車をかけている。出血の程度は軽微なものから生命を脅かすほど重篤なものまであるが,多くは保存的治療によって自然に止血し,特別な処置を要さない。重篤な出血に対しては内視鏡的止血術,IVRによる止血術いずれの有用性も報告されているが,どちらの治療法にも長所,短所がある。本稿では当院での大腸からの出血に対するIVRの治療成績を検討し,若干の文献的考察を加えて報告する。

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© 2018, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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