2019 年 39 巻 1 号 p. 047-050
症例は65歳男性。出張中に腹痛を認め当院へ搬送され,胆石性急性膵炎の診断で入院となった。入院時は軽症膵炎であったが,第3病日に重症化した。第51病日,右腸腰筋周囲の膿瘍が証明され循環動態,呼吸状態の増悪を認めたため同日緊急で開腹ネクロセクトミーを施行した。術後に持続的血液濾過透析法,人工呼吸管理,開放創から大量の腹腔内洗浄など集学的治療を要した。術後74日目と術後79日目に腹腔内出血を認め出血性ショックとなったがともにインターベンションで救命した。この際,空腸と横行結腸に瘻孔を認めたがドレナージと回腸人工肛門造設で改善した。その後長期間のリハビリテーションを行い術後335日目に他院へ転院となった。近年重症急性膵炎の治療ではstep-up approachの重要性が報告されているが,救命が切迫している場合には開腹ネクロセクトミーも選択肢となる。ただし合併症治療への精通が必要である。