2019 年 39 巻 3 号 p. 531-534
症例は68歳男性。来院4日前より徐々に右下腹部痛が出現した。自宅で様子を見ていたが症状の改善を認めず前医を受診した。前医での精査で回盲部付近の異物と,それによる炎症が疑われたため,加療目的に当科紹介となった。腹部CT検査で,虫垂内腔から虫垂壁外にかけて約3cmの高吸収な線状異物と虫垂腫大,虫垂周囲の炎症所見を認めたため,異物による虫垂穿孔を疑い手術を施行した。腹腔鏡下で病変部を確認したところ,異物により虫垂が穿孔し,後腹膜への膿瘍形成を認めた。周囲との癒着は高度であったが,虫垂根部は炎症の波及がなく結紮・切離が可能であったため,虫垂切除術を施行した。異物は形状から魚骨であり,魚骨による虫垂穿孔と診断できた。腹腔鏡を使用することで,異物・炎症の周囲への影響を詳細に確認することができ,同様の症例では腹腔鏡下手術が有用であると考えられた。