2019 年 39 巻 3 号 p. 535-539
症例は19歳男性。突然の下腹部痛と下痢・嘔吐を主訴に,前医を受診,イレウスの診断で当院へ紹介となった。下腹部に腹膜刺激症状を認め,腹部造影CT検査でclosed loopと腹水を認めたため,絞扼性イレウスを疑い緊急手術を施行した。Meckel憩室が存在し,憩室と小腸間膜との間に索状物が形成され,その間隙に小腸が嵌入し絞扼されていた。索状物を切離するとイレウスは解除され,血流も改善したため,小腸は温存しMeckel憩室のみ切除した。病理組織学的検査で索状物には動静脈と神経が認められ,mesodiverticular vascular bandと診断した。Meckel憩室のmesodiverticular vascular bandによる絞扼性イレウスは珍しく,原因不明の腸閉塞の鑑別疾患として考慮すべき疾患である。