日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
緊急手術により救命しえた左胃大網動脈瘤破裂の1例
池側 恭洋中川 淳一郎日野 裕志加藤 昇流田 智史山中 英治
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2019 年 39 巻 3 号 p. 549-553

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抄録

症例は83歳女性。左側腹部痛を主訴に前医へ救急搬送され,腹部造影CT検査で腹腔内出血および左胃大網動脈瘤を認め,加療目的で当院へ転院となった。Transcatheter arterial embolization(以下,TAE)による止血を試みるも,血管の蛇行および狭小化が強く,動脈瘤へのアプローチが困難であったため,開腹手術に移行した。腹腔内には約2,200mLの血液貯留および左胃大網動脈に径3cmと1cmの動脈瘤を認めた。これらの動脈瘤を,大網とともに切除し止血を得た。近年,腹部内臓動脈瘤に対する治療の第一選択は,TAEとなりつつあるが,本症例では,血管の蛇行および狭小化が強く,すみやかに開腹手術へ移行したことが救命につながったと考えられた。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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