2019 年 39 巻 3 号 p. 555-558
腹部鈍的外傷後に遅発性腸閉塞を発症した3例を経験し,自験例を含めた本邦報告例について検討したので報告する。自験例は28歳男性,77歳男性,89歳女性。受診時の腹部CTで腸間膜損傷を認め,3例とも保存加療を行い症状の改善を認めたが,受傷から数日後(3日から23日)に腸閉塞を発症した。イレウス管造影もしくはCTで小腸狭窄を認めたため全例開腹手術を行った。2例は腸管の瘢痕狭窄を認め小腸部分切除,1例は腸間膜の線維性瘢痕による癒着が主体であり癒着剝離のみを行った。切除腸管の病理組織学的所見では,漿膜下層から腸間膜へかけて炎症性細胞浸潤があり,それによる瘢痕狭窄を認めた。鈍的外傷後の遅発性腸閉塞は腸管・腸間膜の不可逆的な線維化・瘢痕により小腸の狭窄症状をきたし発症する。本邦報告例を含めて検討すると,腸閉塞発症時には早期に外科的介入をすることが好ましいと考えられる。