2019 年 39 巻 3 号 p. 579-581
症例は70歳女性。乗用車同士の交通事故後から呼吸困難が徐々に増悪したため,徒歩で当院救急外来へ来院した。CT検査で左横隔膜損傷を認めた。呼吸苦が増悪傾向にあったため,緊急開腹術を施行した。術中所見では左横隔膜中央に径8cm大の欠損孔を認め,左胸腔内へ胃の脱出を伴っていた。脱出した胃を整復し,胸腔内や腹腔内を観察したが,左横隔膜裂傷以外は認めなかった。左横隔膜損傷部を直接縫合閉鎖した。術後経過は良好であった。今回われわれは胃の胸腔内脱出を伴った外傷性横隔膜損傷の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。