日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
肝外傷塞栓術後,増加する腹水に対し診断的腹腔鏡を行った1例
上村 将夫永末 裕友相馬 泰平林田 和之
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2019 年 39 巻 3 号 p. 575-578

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抄録

症例は20歳女性。軽自動車運転中に自損事故を起こし,紹介元へ搬送となった。ドクターカー接触時ショック状態であった。造影CTでⅢB型肝損傷を認め,経カテーテル的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:TAE)を施行され,ショック状態を離脱した。重症多発外傷に対する集学的治療のため当院へ紹介ヘリ搬送となった。フォローCTで腹水の増加を認め,CT値より血性腹水を疑った。循環動態が安定していたため診断的腹腔鏡を行った。肝右葉に損傷部を認めたが,活動性出血や胆汁漏は認めなかった。横行結腸の漿膜損傷を漿膜筋層縫合で修復した。血性腹水と血腫を吸引し,ドレーンを留置して手術を終了した。経過良好で術後11日目に紹介元へ転院となった。外傷性肝損傷患者のマネージメントにおいて診断的腹腔鏡は腹腔内観察やドレナージの有用な手段になり得ると考えられた。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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