2019 年 39 巻 4 号 p. 679-682
症例は74歳女性。前日より腹痛があり内服加療で改善せず当院を受診した。右上腹部に圧痛がみられたが腹膜刺激兆候はなかった。血液検査では白血球数,CRP値,アミラーゼ値の軽度上昇を認めた。腹部CT検査で十二指腸下行脚付近の脂肪織濃度上昇,後腹膜に液体貯留,胆囊壁の軽度肥厚がみられた。十二指腸など後腹膜臓器の穿孔を疑い,緊急開腹術を施行した。開腹すると,十二指腸下行脚から上行結腸の腹側で壁側腹膜下に黒褐色の液貯留が透見され,胆囊漿膜下にも同様の液貯留が透見でき,Morison窩にも少量の胆汁性腹水を認めた。Kocher授動を行ったが十二指腸など後腹膜臓器の穿孔は認めず,胆囊底部に小穿孔部を確認できた。胆囊漿膜下を経由して後腹膜腔に胆汁が穿破したと考え,胆囊摘出術・腹腔ドレナージ術を施行した。術後経過良好で11日目に退院した。後腹膜に胆汁貯留をきたした病態について考察を加えて報告する。