2019 年 39 巻 4 号 p. 739-742
症例は76歳,女性。自己免疫性疾患のためステロイド剤と免疫抑制剤を長期内服していた。下血を主訴に内科を受診し,下行結腸憩室出血と診断され,内視鏡的止血術が施行された。止血術後5日目に再度下血を認め,再度施行した内視鏡検査で前回止血部位のクリップが脱落していたため,同部位に再度止血術が施行された。再止血術後翌朝より発熱と高度炎症所見を認め,外科へ転科となった。胸腹部CT検査で後腹膜,縦隔および皮下に至る広範な気腫を認めたが,注腸造影検査で明らかな腸管穿孔を認めなかったため,保存的治療を選択した。絶食,抗菌薬投与による保存的治療で軽快し,発症後18日目に退院した。大腸内視鏡検査後の広範な後腹膜気腫は極めてまれな偶発症であり,保存的治療の適応については定見がないため,若干の文献的考察を加えて報告する。