2019 年 39 巻 5 号 p. 807-814
【目的】鈍的外傷による腸管損傷に対する手術の適応および施行時期判断の要因を検討すること。【対象と方法】2006年4月1日から2018年3月31日に来院時CT所見で腸管損傷が疑われた鈍的外傷症例を対象とし,腸管損傷の手術の適応および施行時期の判断の要因を後方視的に検討した。【結果】36例が対象となり,緊急手術群は10例,待機的手術群は6例,保存的治療群は20例であった。開腹所見で確認された損傷腸管は小腸が最多であった。また,来院時CTの異常所見では腸管壁肥厚が,開腹理由は腸管外遊離ガスが最多であった。CT異常所見数は,直接的外力による損傷に対する治療としての緊急+待機的手術群と保存的治療群の比較(3.1±1.2 vs 2.0±0.9,P<0.01)および緊急手術群と待機的手術群の比較(3.6±1.1 vs 2.2±0.8,P<0.01)で有意差を認めた。【結論】来院時CTの異常所見数は手術の適応および施行時期の判断の重要な要因と考えられた。