2019 年 39 巻 5 号 p. 909-911
症例は71歳の男性。1年6ヵ月前に他院で食道癌に対して胸腔鏡腹腔鏡下食道亜全摘,腹腔鏡下胃管再建術(後縦隔経路頸部吻合)を施行された。2日前より持続する嘔気と腹痛のため当科を受診した。CTで胃管左側の食道裂孔より横行結腸が左胸腔に脱出しており,横隔膜ヘルニア嵌頓の診断で緊急手術を施行した。腹腔鏡下に嵌頓した横行結腸を整復し,ヘルニア門を縫縮した。腸管壊死は認めず手術終了とした。食道癌術後の横隔膜ヘルニアはまれな合併症であるが治療が遅れると致命的となる可能性もあり,早期の診断と治療が必要である。