日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
卵巣癌との鑑別が困難であった蛋白漏出性胃腸症を伴う上行結腸癌の1例
清水 雄嗣丸尾 啓敏露木 肇東 幸宏関本 晃紅林 泰
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2019 年 39 巻 5 号 p. 905-908

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抄録

症例は68歳女性。難治性の水様便と体重減少を主訴に近医を受診し,骨盤内巨大腫瘍を指摘され,卵巣腫瘍の疑いとして当院紹介となった。血液生化学検査では著明な低アルブミン血症を認めた。大腸内視鏡検査では上行結腸癌を認め,卵巣癌と結腸癌の重複癌,または結腸浸潤を伴う卵巣癌の術前診断で手術を施行した。腫瘍は上行結腸に存在し,腫瘍によって腸管自体が著明に緊満していた。両側付属器はほぼ正常径であった。結腸右半切除術を施行し,両側付属器切除術も併施した。組織型は高分化型粘液癌であり,蛋白漏出性胃腸症を随伴した大腸癌と考えられた。大腸癌による蛋白漏出性胃腸症の報告は数が少なく,まれな病態であるため文献的考察を含めて報告する。

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© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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