2019 年 39 巻 5 号 p. 917-920
症例は74歳男性。左大腿部脂肪肉腫再発の既往があり左股関節離断術後および骨盤内リンパ節郭清術後で再発なく経過観察中だった。腹部膨満感を訴え来院しS状結腸の左鼠径部ヘルニア嵌頓による腸閉塞と診断し緊急手術を行った。手術診断は左大腿ヘルニア陥頓によるS状結腸穿孔であり,S状結腸人工肛門造設術,開腹洗浄ドレナージ術を行った。退院の約3ヵ月後に鼠径部切開法により腹膜外にメッシュを用いて大腿ヘルニア修復術を行ったが再発し腸閉塞となった。再発大腿ヘルニアに対する再手術として健側下肢の大腿筋膜を用いた腹腔内からの修復術を施行した。穿孔性腹膜炎術後の腹腔内に対して人工物を使用すると感染の恐れがあるため,遊離大腿筋膜移植術を選択した。術後再発をきたさなかったため安全で有用な選択肢と考え報告した。