2019 年 39 巻 5 号 p. 921-923
73歳男性。腹痛を主訴に救急外来を受診した。身体所見では左下腹部に圧痛を認め,腹部は硬く限局的な腹膜炎の所見があった。血液検査でWBC 18,300/μL,CRP 16.5mg/dLと炎症反応の上昇を認めた。腹部造影CTで近位空腸に腸管外に突出した14cm大の巨大な腫瘍を認め,腫瘍内にair bubbleと腫瘍周囲の脂肪織濃度の上昇を認めた。Gastrointestinal stromal tumor(以下,GIST)は完全切除ができなければ予後にかかわる疾患であり,炎症を伴う巨大空腸GISTの疑いで同日緊急手術を行った。腫瘍が膵体部を圧排しており,腫瘍を含めた小腸部分切除術,膵体尾部切除術を施行した。病理組織学的検査でGISTと診断したが,腫瘍の破裂は認めなかった。術後イマチニブ400mgを内服,術後18ヵ月現在,無再発生存中である。