2019 年 39 巻 6 号 p. 1061-1064
症例は腹部の手術歴がない21歳の男性。突然の腹痛で救急搬送された。腹部造影CTでは上腸間膜動静脈が尾側から見て反時計回りに360度回転するWhirl signの所見と腹水を認めた。腹腔内腫瘤や腸回転異常を示唆するような解剖学的異常の所見を認めなかった。原発性小腸軸捻転症と診断したが,搬送されるまでの発症より9時間程の間に腹痛が徐々に軽快し,発症約11時間後には腹部の違和感が残るのみとなっていた。小腸壊死を積極的に疑う所見はなく,保存的治療で経過観察入院とした。翌朝には腹痛が消失し,翌日の腹部超音波検査および翌々日の腹部造影CTで小腸軸捻転症の自然解除が確認された。再燃なく退院後1年が経過している。原発性小腸軸捻転症は血流障害から広範な小腸壊死をきたすため手術を要する病態で,自然解除はまれである。今回われわれは自然解除された原発性小腸軸捻転症の1例を経験したので報告する。