2019 年 39 巻 6 号 p. 1075-1078
症例は70歳,男性。2年前より難治性十二指腸潰瘍からの消化管出血で入院を繰り返していた。慢性腎不全の既往があるため,経過中に造影CTは撮像されていなかった。今回も意識消失を主訴に救急搬送され,Hb 4.5g/dLと高度貧血を認め,出血性十二指腸潰瘍に対し内視鏡的止血術を施行した。入院後に造影CTを撮像したところ,膵頭部に動脈相優位で拡張蛇行した脈管構造を認め,膵動静脈奇形(pancreatic arteriovenous malformation:以下,PAVM)が疑われた。血管造影検査では膵頭部に多数の動静脈異常短絡血管を認め,PAVMと診断した。繰り返す十二指腸潰瘍はPAVMによる盗血現象により生じていると判断し亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行し,術後経過は良好であった。外科的切除が奏効したPAVMを経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。