2019 年 39 巻 6 号 p. 1079-1082
患者は14歳男性。2日前より下痢,腹痛があり,軽快せずに発熱も認めたために当院緊急搬送となった。腹部造影CT検査で右下腹部にtarget signを認め,腸重積症の診断で緊急に腹腔鏡下手術を施行した。盲腸,虫垂が先進部となり,それに引きつられるように回腸末端が上行結腸に重積していた。腹腔鏡下に重積部を肛門側の上行結腸から口側へ押し出し,さらに口側を牽引し整復した。観察範囲内に,明らかな器質的疾患は認めず,虫垂切除術のみ施行した。術後経過は良好で術後8日目に軽快退院した。現在術後3年以上経過するが,腸重積の再発は認めていない。特発性に盲腸結腸型の腸重積症を起こし,腹腔鏡下アプローチが,診断・治療に有用であった1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。