日本腹部救急医学会雑誌
Online ISSN : 1882-4781
Print ISSN : 1340-2242
ISSN-L : 1340-2242
症例報告
メディシンボールを使用した腹筋トレーニング中に生じた小腸穿孔の1例
野村 亮介上野 陽介多賀 聡矢野 公一
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 39 巻 6 号 p. 1083-1085

詳細
抄録

症例は60歳男性。トレーニングジムで,トレーナーに5kgのメディシンボールを下腹部にあててもらい,腹筋トレーニングを行っていた最中に,はじめは下腹部の我慢できる痛みではあったが,腹部全体の痛みが出現し当院へ救急搬送された。血液生化学検査所見では,CRP値や白血球数の上昇は認めなかった。腹部CT検査では腹腔内に散在性の遊離ガス像を認め,穿孔部位の同定は困難であったが,消化管穿孔の診断で緊急開腹手術を行った。Treitz靭帯から約250cmの小腸に約1.5×1.0cmの穿孔部を認め,腸液が持続流出している状態であった。穿孔部縫合閉鎖と洗浄ドレナージ術を行った。腹部鈍的外傷による小腸穿孔の症例報告は多数存在するが,メディシンボールによる消化管穿孔例は文献検索した限り自験例がはじめてである。トレーニング器具も適正に使用しなければ,身体への傷害を生じることを関係者は,認識すべきである。

著者関連情報
© 2019, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
前の記事 次の記事
feedback
Top