2019 年 39 巻 6 号 p. 1101-1104
症例は83歳の女性。腹痛のため近医に救急搬送された。腹部CTで腹腔内遊離ガス像を認めていたが,重篤感を認めなかったために経過観察されていた。翌日のfollowのCTで腹水の増量を認めたために当院に手術目的に紹介された。血液検査では炎症反応の上昇は認めなかった。認知症のため正確な問診は困難であったが腹痛を認め,消化管穿孔の診断で緊急試験開腹手術となった。開腹所見は汚染腹水を認めず,胃,小腸,結腸の消化管検索を施行したが明らかな消化管穿孔の所見を認めず,特発性気腹症と診断した。ドレーンをDouglas窩に留置し手術を終了した。術後経過は順調で術後9日目に退院となった。画像検査で腹腔内遊離ガス像を認めるものの腹部症状に乏しい場合は本症の可能性を念頭に置き,外科的治療の適応は慎重に行う必要があると考える。