2019 年 39 巻 6 号 p. 1113-1115
子宮全摘後の膣断端脱に対し,ペッサリーによる保存的治療中に膣断端破裂・絞扼性腸閉塞をきたした1症例を経験したので報告する。症例は80歳女性。約40年前に子宮筋腫に対し子宮全摘術を施行。1ヵ月前に近医で膣断端脱に対し,ペッサリーによる保存的治療を開始したが,改善なく当院婦人科を受診された。膣壁のびらん・膣断端中央部に約1cmの膣壁穿孔を認め,早期手術を計画したが,同日夜に膣からの小腸脱出を認め,救急再診された。嵌頓による小腸の絞扼性腸閉塞と診断し,同日に開腹下に嵌頓壊死した小腸切除・膣閉鎖術を施行した。膣断端脱は高齢者に多く,保存的加療が選択されることも多いが,本症例のごとくペッサリーを誘因に膣断端穿孔を生じることもあり,可能であれば積極的な根治的外科治療を考慮すべきである。