2019 年 39 巻 6 号 p. 1159-1162
症例は52歳女性。飲酒後の嘔吐に引き続く急激な左背部痛を主訴に救急搬送された。胸膜炎の診断で加療されたが,膿胸が出現するなど全身状態の増悪を認め,後方視的に経過を再検討したところ特発性食道破裂が疑われ発症9日目に当科紹介となった。上部消化管内視鏡検査で下部食道左壁に穿孔部を認め,食道透視検査で同部位から左胸腔への造影剤漏出を認めたため胸腔内穿破型の特発性食道破裂と診断し,発症10日目に胸腔鏡補助下膿胸腔掻爬・ドレナージ術を施行した。胸腔内の膿苔を掻爬すると縦隔下部の穿孔部が同定され,穿孔部近傍にドレーンを留置した。術後は経腸栄養を併用した栄養管理を行った。術後33日目より経口摂取を開始し,術後44日目に退院した。胸腔鏡下手術により穿孔部の詳細な観察,確実なドレナージが可能となり,全身状態不良例にも安全に施行できた。また術後に経腸栄養を併用した栄養管理を行うことが治癒促進に有効であったと考えられる。