2019 年 39 巻 7 号 p. 1279-1282
症例は51歳女性で肝炎症性偽腫瘍に対し右開胸開腹肝右葉切除術を施行された。術後9ヵ月目に上腹部痛,嘔吐を認め腹部CTを施行したところ,右横隔膜ヘルニアおよび腸閉塞の診断で腹腔鏡下ヘルニア修復術を行った。ヘルニア門は前回手術時の横隔膜切開線の遠位端にあり,縫合不全が原因と考えられた。腸管は虚血所見なく温存可能であり,ヘルニア門はメッシュを用いて修復を行った。肝切除術後の横隔膜ヘルニアは晩期合併症として念頭に置く必要があり,腹腔鏡下でのメッシュを用いた修復術は有用であると考えられた。