2020 年 40 巻 1 号 p. 65-68
症例は53歳女性で腎硬化症による慢性腎不全で腹膜透析カテーテル留置術を施行した。透析開始4日目より透析液の回収不良が出現し,カテーテル造影検査で内腔の閉塞を疑う造影欠損像を認めた。腹腔内臓器の巻絡によるカテーテル閉塞の診断で腹腔鏡下に緊急手術を行った。右卵管采が巻絡しており,これを鉗子で解除し,再発予防目的に右卵管采を切除した。透析再開65日目に再度透析液の回収不良が出現した。腹腔鏡下に再手術を施行したところ,左卵管采が巻絡していた。卵管采の巻絡によるカテーテル閉塞は比較的まれとされ,対側の再発はさらにまれである。閉塞解除に対する腹腔鏡下手術は有用と思われるが,再発防止策には一定の見解がまだ得られていない。