日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
腹腔鏡を併用しメッシュ修復をした大腿ヘルニア嵌頓の3例
飯沼 伸佳黒岩 雄大北川 敬之秋田 眞吾三輪 史郎
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2020 年 40 巻 5 号 p. 667-669

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抄録

大腿ヘルニア嵌頓は腸管壊死に至る例も多い。今回,われわれは大腿ヘルニア嵌頓に対し,ヘルニア囊を開放せずに大腿法を先行させ腹腔鏡を用い嵌頓腸管を評価した3例を経験した。3例は,73歳から82歳と高齢者で,そのうち1例はPerformance Status(PS)のscoreが2であった。全例女性で,患側は右側および嵌頓臓器は小腸であった。手術時間は35〜121分で1例に腸管切除を施行した。3例とも術後の経過は良好であった。大腿法を先行し,腹腔鏡での嵌頓腸管の評価は,侵襲やメッシュ感染のリスクの軽減の点で,大腿ヘルニア嵌頓には有用であると考えられた。

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© 2020, Japanese Society for Abdominal Emargency Medicine
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