2020 年 40 巻 7 号 p. 877-880
症例は65歳女性で盲腸癌の多発肝転移,肺転移に対しmFOLFOX6+bevacizumab療法を施行していた。定期のCT検査で病勢進行と判定しFOLFIRI+bevacizumab療法に変更した。投与後10日目に突然の右下腹部痛が出現し救急外来を受診した。CT検査で虫垂の著明な拡張を認め,盲腸癌の虫垂開口部の閉塞による閉塞性虫垂炎の診断で,保存的治療は困難と判断し緊急手術を施行した。腹腔鏡下に回盲部切除を行い,手縫いで層々吻合を行った。術後とくに合併症は認めず術後第10病日に退院し,術後第32病日から化学療法を再開することができた。Bevacizumab使用中の手術の際に,創傷治癒遅延に起因する創部感染や縫合不全が報告されているが,腹腔鏡手術を行うこと,吻合法を工夫することでそのリスクを軽減できる可能性がある。