2021 年 41 巻 7 号 p. 565-569
腸管子宮内膜症は子宮内膜症の10%あまりに認められる。小腸に発生するのはまれであるが,腸閉塞をきたすことが多い。症例は35歳,女性。手術歴なし。腸閉塞に対して2回の入院歴があり,外来で婦人科疾患の精査予定であったが症状が再燃したため入院となった。骨盤MRI検査で腸管子宮内膜症による腸閉塞が疑われ腹腔鏡下手術を行った。月経に伴う血性腹水と右付属器に内膜症性病変を認めた。回腸末端から10cm口側にも同様な病変があり腸閉塞の責任部位と考えられた。癒着剝離困難であり小腸部分切除術および右付属器摘出術を行った。病理組織学的検査では,漿膜下層から固有筋層にかけて子宮内膜組織の介在を認め線維化をきたし出血を伴っていた。生殖年齢女性の腸閉塞の原因として考慮すべき疾患であり,その診断にMRIは有用で,広範囲の観察が可能な腹腔鏡下手術は有益であると考えられた。