2022 年 42 巻 1 号 p. 57-60
症例は65 歳男性,肝門部領域胆管癌,十二指腸癌に対し肝左三区域切除術,胆管切除術,胆管空腸吻合術,十二指腸粘膜切除術を施行した。第19 病日に肝断端ドレーンより胆汁の流出を認め胆管空腸吻合部からの胆汁漏と診断,約6 週間,保存的に治療したがドレーンから100 〜300mL/ 日の胆汁流出が続き改善を認めなかった。挙上空腸断端で空腸瘻を作成,そこから内視鏡的に胆管空腸吻合部に胆管ステントを2 本留置したところ,ドレーンからの胆汁量はすみやかに減少し,治療から9 日目にドレーンを抜去できた。退院4 ヵ月後に再入院し,内視鏡下に胆管ステントを抜去,空腸瘻閉鎖術を施行した。術後2 年現在,胆汁漏の再燃はなく,無再発生存中である。