2023 年 43 巻 4 号 p. 777-779
症例は69歳の女性。8時間前からの腹痛・嘔吐のため救急車で搬送された。腹部CTでtarget signと口側腸管の拡張を認め,腸重積による腸閉塞と診断し,緊急手術を施行した。臍上約3cmの小切開をおき,単孔式腹腔鏡下手術を開始した。腹腔内を観察すると小腸に重積腸管を認めた。無傷性腸鉗子を用いてHutchinson手技で整復したところ,先進部に腫瘤性病変を認めた。小切開創から小腸を引き出し,腫瘤を含めた小腸部分切除を施行した。肉眼的には弾性軟の5cm大の有茎性の腫瘤を認め,病理組織学的検査でinflammatory fibroid polyp(以下,IFP)と診断した。小腸IFPを先進部とする成人の腸重積に対し,単孔式で腹腔鏡下手術を安全に施行できた。腹腔鏡下手術は低侵襲で整容性に優れており,よい適応と考えられた。文献的考察を加え報告する。