日本腹部救急医学会雑誌
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症例報告
逸脱した胆管ステントによる大腸穿孔の1例
新保 敏史, 浦出 雅昭
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2023 年 43 巻 4 号 p. 773-776

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抄録

内視鏡的胆管ステント留置術は高齢者などの高リスク症例に対しても低侵襲な処置であるため施行例が増加している。それに伴い胆管ステント挿入に関連した合併症が増加している。ステントの逸脱率は5〜10%とされるが,消化管穿孔はまれである。逸脱した胆管ステントによる大腸穿孔の1例を経験した。症例は91歳,男性。1年3ヵ月前に総胆管結石性胆管炎に対して,総胆管内にプラスチックステント(ストレートタイプ,7Fr,9 cm)を留置された。3週間ほど続く下腹部の違和感を主訴に当院を受診した。CT検査でステントによる大腸穿孔および膿瘍形成と診断し,手術を行った。開腹すると腹腔内に汚染はなく,S状結腸後壁をステントが貫通していた。ステントを抜去し,膿瘍をドレナージした。穿孔部を縫合閉鎖し,手術を終了した。術後10日目に退院した。胆管ステント挿入後に腹痛を認めた場合はステントによる腸穿孔も念頭に置くことが必要である。

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